夏の影
連日猛暑。 濡れタオルを首に巻いて凌ぐ。 太陽が焼けている。 空を背景にシイノキの枝葉を透かす。 蝉の声。
不意に「魂」は何処へいったのかと思う。 この私の死後も、こんな風に枝葉がさやぎ、光があふれる。 そんなとき「魂」は何処へいったのかと思う。
きっといま誰かの魂がふれたのだろう。 私の知らない生活をし、未来を見つめ、逝ってしまった誰かの証しが。
ここにあるのは、あなたか、私か、それとも誰でもない人の影か。
夏の影は濃く、眩しく、遠い音が聴こえる。
庭園管理 植吉 代表者 鎌田吉一 福島県いわき市田人町黒田字唐沢14