美しい空間と時間 庭園管理植吉
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植木屋雑記帳

 

■虹とうなじと山の色

現場へ向かう朝、大きな虹がでた。
虹は山の端から立ち上がり、半円の途中を雲に消していた。

電線に架かった桜枝の剪定をする。
生きた桜は柔らかく、艶めかしい肉質をしている。
大枝を抜くと、切断面が、女のうなじのように白い。
何かがここを通って花々を開いたのだ。
その記憶を消すように殺菌剤を塗り込めた。

今日は妙な陽気だった。
半袖でも暑いくらいだった。
明るいうちに仕事を終わらせ、ゆっくり山道を帰った。

麓はいまが紅葉の盛りだ。
ブナやナラがオレンジ色に燃えている。
これはまた何の喩(メタファー)だろう。
何かが何かに満ちている。

 

 

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庭園管理 植吉 代表者 鎌田吉一 福島県いわき市田人町黒田字唐沢14