美しい空間と時間 庭園管理植吉
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植木屋雑記帳

 

■晴れ

ボタ山の見える村。
脚立の天端に立つと空が高い。
ときおり聞き覚えのある重低音がして、スズメバチが飛んで来る。
十月からよく遭遇する。
先日は、取りかかろうとした柿の木の熟した実を、三匹のスズメバチが舐っていた。
恍惚としているのか、こちらの動きも察知せず夢中だ。
二匹を鋏で切断し、一匹は逃げられた。
耳を澄ませて、逃した一匹の襲撃に備えながら、手入れした。

三時を過ぎると日は急速に傾く。
ボタ山はいまは丸い雑木山だ。
もう誰も住まぬ炭住が、西日に照らされ朽ちている。

 

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庭園管理 植吉 代表者 鎌田吉一 福島県いわき市田人町黒田字唐沢14