晴れ
ボタ山の見える村。 脚立の天端に立つと空が高い。 ときおり聞き覚えのある重低音がして、スズメバチが飛んで来る。 十月からよく遭遇する。 先日は、取りかかろうとした柿の木の熟した実を、三匹のスズメバチが舐っていた。 恍惚としているのか、こちらの動きも察知せず夢中だ。 二匹を鋏で切断し、一匹は逃げられた。 耳を澄ませて、逃した一匹の襲撃に備えながら、手入れした。
三時を過ぎると日は急速に傾く。 ボタ山はいまは丸い雑木山だ。 もう誰も住まぬ炭住が、西日に照らされ朽ちている。
庭園管理 植吉 代表者 鎌田吉一 福島県いわき市田人町黒田字唐沢14