鶴と虹
午後、隣家のツゲの刈込みを頼まれた。 汗を流していると、上空に聞き覚えのない鳴き声がした。 鶴だった。
たぶん鶴なのだろう。 体長の半分ほどある長い首を伸ばして、真っ直ぐに飛んでゆく。 怪鳥のようだ。 鶴は向こうの一番高い杉の梢に留まって影絵のように動かなかった。
それから少し雨がぱらついた。 旦那が声を上げるので見ると、東の空に虹が出ていた。 よく見ると二重に出ている。
鶴はもういなくなった。 虹も次第に消え失せた。
庭園管理 植吉 代表者 鎌田吉一 福島県いわき市田人町黒田字唐沢14