美しい空間と時間 庭園管理植吉
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植木屋雑記帳

 

■雨猫

  いつもは通過する枝道に入って、ぼんやり山の中を走っていると、思いがけなく風景が開け、集落が見えてくることがある。
  さらにその集落を抜け、杉檜林や雑木林を縫って行ったどん詰まりに、人家がぽつりと一軒あることがある。
  それは今はほとんど空き家になっているが、周りに自家用の田畑があり、裏山から引いた水樋があり、池があり、牛山羊を飼った小屋がある。
  そんなところで呆けたように、そこでの暮らしを想像するのが好きだ。
  冬の雪掻き、夏の草刈り、春の植え付け、秋の収穫、
  もちろんその暮らしが成り立たなくて、この家の持ち主はここを捨てたのだろううけれど。
 
  雨が続く。
  猫が窓辺で雨をみている。 

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庭園管理 植吉 代表者 鎌田吉一 福島県いわき市田人町黒田字唐沢14