美しい空間と時間 庭園管理植吉
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植木屋雑記帳

 

■剪定ゴミ

仕事で出る剪定ゴミは崖下の畑に捨てて、堆肥にし、時折整理している。
太陽光と雨と虫と微生物にこなれて、枝葉は次第に腐り、湯気を出し、
発酵する。

こちらがこちらの日々を経由している間、マキもサクラもベニカナメも、
ツゲもコブシもモッコクも、ツツジもマツもヤマボウシも、みんな皆それ
ぞれの速度で腐り、発酵し、分解されてゆく。

堆肥鍬やホークでその山を切り返してゆく。
骨になった枝はより分けて別の山にする。
これはこれでストーブの焚き付けの柴になる。
焚いた後の木灰も良い肥料になる。

堆肥は、ひと山崩すごとにミミズやアリやムカデやイモムシが転
げ出る。
菌糸の固まりが「むわっ」と湯気を出す。
ここにはここの階層があり、ここの時間が流れ、たくさんの連鎖があり、
生成や消滅がある。

世界の向こうにはいくらでも世界がある。

汗を流しながら作業していると、なぜか身毒が流れ、心配事もど
うでもよいことのように思えてくる。

 

 

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庭園管理 植吉 代表者 鎌田吉一 福島県いわき市田人町黒田字唐沢14