美しい空間と時間 庭園管理植吉
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植木屋雑記帳

 

■雑木山

近くの雑木山に苗木の掘り取りに入った。
持ち主の許可を得た場所へゆくまで、林道を塞ぐ倒木が何本もあった。
この間の大風で里山は大荒れに荒れていた。
薪になる枯枝がたくさん落ちていた。

昔は、風が吹いた後の雑木林は薪拾いの村人達が我先に入っていた。
落葉はかき集めて堆肥にした。
それで山は清められ、山菜やキノコがたくさん取れた。
山はいつも庭のように手入れされ美しかった。
今は誰の目にも触れられない。

都市では里山を模した雑木の庭が喜ばれ、大金をかけて作り込まれる。
中山間地は過疎と高齢化が進み、もはや集落を維持することも難しい。
この村も昨秋から路線バスが廃止になった。

クロモジがあったので掘り取った。

堆積した落ち葉を掻き分けてスコップを入れると、さっくり、根鉢が冬の日溜まりに浮き上あがった。


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庭園管理 植吉 代表者 鎌田吉一 福島県いわき市田人町黒田字唐沢14