福寿草
無が飽和して物理の世界が生まれ、 物理は満ちて化学に溢れ、 化学は濡れて揺らいで、生命がこぼれた。 そしてあんた、 生命は繋がり、重ねられ、 ぽん、 と意識に晴れた。 晴れた、晴れた、 意識はころころ転がって、心になった。 心は心に記憶され、記憶は言葉になった。 言葉はいったい、何処へゆくのだろう。
言葉はたぶん、 いろんな次元の旅をして、 老いて宇宙の身体になり、 また消滅して、 無のように泣いたり、 赤子のように揺らいだりするのだろう。 久しぶりの現場仕事。 スコップで地面を掘って、猫車で運ぶ。 横では妻もスコップを振るう。 小鳥がちよちよ唄っている。 ミミズがにょろにょろ顔を出す。 ふくじゅそうの花が開いた。
庭園管理 植吉 代表者 鎌田吉一 福島県いわき市田人町黒田字唐沢14