鳥
庭先で焚き火していたら、
上空高く鷹が一羽静止していた。 時おり羽ばたいて、気流を掴んでいる。 あんなに高いところに鳥がいる。 私は地表で火を燃やし、 燃えたものが炭になり、 ちろちろちろちろ熾になるのを見ていた。 焚き火をすると、空気が暖められて、 向こうの景色が揺らめいて見える。 それは何の喩だったか。 海の見える風呂で身体をほぐしていると、 目の前の大ガラスにくっきりと、鳥の衝突した跡があった。 水平線に、化石のように張り付いた鳥のかたち。 鳥は恐竜の末裔だそうだ。 鳥の目に孤独があるのは、 中生代からの記憶が詰まっているからだ。 アオサギは1mもある大鳥で、 谷間を翼竜のように飛んでいる。 ある日の夜、橋のたもとの外灯の下、 舞台役者のように見得を切っていた。 翌朝通ると、ゴミのように死んでいた。 冬になると鳥の姿が目に付く。
庭園管理 植吉 代表者 鎌田吉一 福島県いわき市田人町黒田字唐沢14